京都大学大学院農学研究科森林科学専攻

朝日新聞デジタルのサイトに田鶴寿弥子助教(生存圏研究所バイオマス形態情報分野)と杉山淳司教授(樹木細胞学分野)の研究内容の一部が掲載されました。

朝日新聞デジタル「9種の木、重文の本堂の柱に 再建に込めた農民の思い(2020年10月12日)」

約440年前に再建された岐阜県御嵩(みたけ)町の国指定重要文化財「願興寺本堂」の柱材に、寺社建築ではまれなムクノキを含む9種類もの木材が使われていたことが、田鶴寿弥子助教(生存圏研究所)と、杉山淳司教授(京都大学農学研究科、木質科学)によりわかったというもの。
由緒ある寺で、雑木を最初から使うのは普通は考えられないが、御嵩町教育委員会によると、願興寺所蔵の寺伝書「大寺記」には「貧家犁人(れいじん)(田を耕す人)の力にてこの大営を成し遂げた(貧しい農民たちの力で寺を再建できた)」と記されている。地域の農民たちが、焼けた建物と同規模で再建しようと、長さや太さを優先して木材を持ち寄った結果、9種類もの樹種が使われることになったのではと推察でき、当時の民衆が困窮しながらも寺の再建のため、必死に地元の木材を集める状況が目に浮かぶようである。

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